北谷野音数日前、俺がデビューしてからずっと、ステージの俺を照らしてくれた明かり屋さん(照明)が天国にいってしまった。
レーベルがなくなって、野音でしかいっしょにできなくなった後も、「あたしがやる」と、手弁当で何度も俺たちのライブを照らしてくれた北谷が天国にいってしまった。

俺の、本当に数少ない、全部信じれる仲間だった。
裏表のない、本当にきれいな人だった。
彼女はMOGAMIよりMOGAMIで、俺より俺だったかもしれない。

通夜から帰ってきて呑んでるとひとりの呑み仲間が去年の野音の話をしてくれた。
ずっと俺と唄いながら、舞うように照明の卓をコントロールしてる姿があまりにかっこよくて声をかけたといってた。
「ここにもMOGAMIが」と思ったそうだぞ。

北谷、俺はまだ、別れなんか言わんからな。
北谷、俺はまだ、別れなんか言わんぞ。
北谷、ばかたれが。


たまごがやたら鳴くから膝に乗せた。
なに鳴いてんだよ、俺も泣いてるけど。